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ジュリアローズの3匹の猫物語。 2020.01.01

ジュリアローズの3匹の看板猫達に贈る少し切ない物語り。ともに暮らした彼らへはそれぞれの想いが宿る。

白猫 マリー編 「神様のおつかい」

「白い猫はね、神様からのお使いなのよ」不思議な力を持つ年上の友人が呟いた。
神様からの使者…。その言葉がなんとなく心に残り気になっていた。

それからひと月もたたないある日の夕方、
急いで帰ろうと普段は通らない山道にさしかかった時、白い子猫が道の真ん中をふさいでいたのだ。
人家のない山道に猫がいる。一度は通りぬけようとしたが、すぐに急ブレーキをかけて車を止めた。

「神様がお使いをよこされた!!」

真っ白な子猫をすくい上げ急いで家に連れ帰った。
生後それほどは経っていないであろう子猫は、その日からジュリアの初代白猫となる。
真っ白なボディと黄金の瞳を持つ白猫。「ディズニーの白猫のマリー」を連想して男の子だけど「マリー」と命名する。
自由きままで誇り高い気質は猫そのもの。
長くしなやかな尻尾と流線形のボディラインが美しい美猫に育って行った。

3年後に自宅をショップとしてオープン後は看板猫として、猫好きのお客様に可愛がって頂き、家と庭を自由に飛び回り、その生活に慣れていったように思えた。ところが5年後の9月末に忽然と姿を消してしまったのだ。待てど暮らせど2度とその足音を聞くことができなかった。

先の女性曰く、「マリーはここでのお役目を果たしたので今は別のところにいるわ。
あの子が来てから、良いことが沢山起きたでしょ?」
確かにその言葉とおりの現象が起きていた。
起業の夢も順調に果たし、奇跡的なできごとが次から次と続いていたのだ。

ありがとうマリーちゃん。貴方は奇跡を呼ぶ猫だったね。
人生で一番迷っていた辛い時に現れてくれた、本物の神様のお使いでした。

白猫 ブルー編 「運命」

7年が過ぎた今でも消えない痛みと想いが胸を押しつぶす。
大失恋をしたような生涯忘れられない記憶。

マリーとの突然の別れに耐えかねて半年後に、保護猫の里親探しをしてる猫カフェに足を運んでみた。生憎と定休日の札がかかりお店はクローズしていたが、窓越しに数匹の猫の姿があった。その中の一匹の猫が目に留まった。成猫で真っ白な毛並みの大きな猫だ。ガラス越しに空を見上げているその瞳は空の青と同じ透き通ったスカイブルー。なんて神々しい猫だろう。
「ブル-」名前は既に決まっていたように思う。

3月の私の誕生日に引き取りの約束をして迎えに出向いた。
お店では王子様と呼ばれる人気の猫で、前日にはファンクラブが送別会を開き別れを惜しんだという。
書類にサインをしていると、持参した籠の中に自ら入り周りを驚かせた。自分の運命を知っているかのように。

ブルーはあっという間にお客様の心を掴み、沢山のファンが付いた。
来場者のエスコートやお見送り、畑のパトロールと多忙な業務をこなす頼もしいパートナー。
猫というより犬のように人の気持ちを読み、温和で賢い招き猫になった。

また、狩りの名手で、ブルーベリーを狙うむく鳥やもぐらを毎日ように捕まえてきては、何羽もデッキの上に並べて遊んでいた。ある時は獲物を寝ている枕元に置いていかれたこともあった。もぐらの穴だらけだった畑は数年後にはその穴は消滅。7年経った今でものみかけてない。

穏やかに時は過ぎていき、ブルーに出逢えた幸せを神様に感謝して暖かな温もりをだきしめながら眠りについた日々。
ずっとこのまま一緒に暮らせると信じていたのに…

アメリカンカール ベリー編「出逢い」

友人と何気なく立ち寄ったペットショップで、人生初の一目惚れをしてしまった。
後々どんなに苦しい思いをするかも気づかずに。

深い海の底のような蒼、サファイアブルーの瞳を持つ子猫。グレーとホワイトが混ざった小さな体からは強いエネルギーを感じた。

何度もショップに通い、どうしても頭から離れないその存在に多頭飼いを決めた。 お店のシンボル果樹「ブルーベリー」にちなんでベリーと命名。
先住猫が「ブルー」そして新入りが「べリー」
容姿の美しさとは裏腹に、飼い主にさえ懐かず、人を寄せ付けない気位の高い孤高の猫。

エリアを分けて、慎重に同居を始めたが、やんちゃで強気な子猫は常にブルーを追いかけまわしイラつかせていた。それでも温厚な性格のブルーは、怪我をして病院から帰ったベリーに駆け寄り、体中をグルーミングして癒していたこともあった。
2匹は落ち着かない関係のまま一年が過ぎていった。

2013年…この年ほど歓喜と絶望を味わった年は記憶にない。
1月 ベリーとの出逢い
3月大切な友との永遠の別れ、6月ガーデン雑誌の最高峰であった憧れの「ビズ」に5ページの掲載が決定。ガーデンを利用したマルシェやガーデンウェディングの開催。
そして11月…3ケ月間の闘病の末天授を全うした最愛の母の死。
大きなうねりを乗り越えてその年は終わった。

翌年、お正月気分も抜けない1月9日。この日を一生忘れることはないだろう。
マリーと同じ5歳になったブルーが失踪した日だ。白猫たちはいったい何処にいってしまったのか。ブルーの場合、理由ははっきりしていた。猫は強いものがエリアを渡して離れると言う。どんなに探しても見つからず激しいペットロスに陥る。
2ケ月前に母を失った悲しみを忘れるほどの救いようない辛さ。身体の一部をもぎ取られたような激しい痛みと喪失感に堕ちていった。

そして、私が望んだ猫たちとの暮らしはわずか一年で幕を引いた。

「ベリーをもらってくれませんか?」そうお客様に声をかけたこともあった。
ベリーがいたらブルーは帰ってこない…。自分の選択を鬱々と呪った。
なんて身勝手で傲慢な飼い主だったことか。

ブルー&ベリー 完結編「再会」

あらから丸7年が経ち、お店は開業から13年目を迎えることができた。
最近ではベリーも3代目看板猫として人にもなじみ、甘えん坊の雄猫になっていた。吸い込まれそうな蒼い瞳は健在で人を魅了してやまない。

商品のイメージアップを模索していたところ、猫を形どった箱を作るアイデアが降りてきた。ベリーにそっくりな蒼い目をした猫の化粧箱。仕事で知り合った猫好きなデザイナーさんが私の想いを汲んでくれてやっと話が進んだ
試作の箱を手に取るといろいろな感情が湧き上がってきた。
きっとこの箱のためにベリーに出逢ったのかも。

完成度を高めるため更に試行錯誤が続き、台紙決める見本帖をめくっていた時だ。
「純白」と書かれた見本色が目に留まった。ブルーの白色だ。どうして気が付かなかったのだろうか。ブルー&ベリーこのふたつの箱がすべての答えになる。

以前からブルーを知っているスタッフに箱の種類が増えることを告げると、
彼女が一言つぶやいた。
「ブルーちゃんやっと帰ってくるんですね!」
その言葉が心に染みて、気持ちが軽くなっていくのを感じた。
「おかえりブルー、ずっとまってたよ…。」

人生で経験した数えきれない失敗や後悔も時が経てば必然へと変わる。
現象が研石ならば、すり減らすか磨かれるかは私の心が決めるだろう。

愛すべき猫たちから沢山の愛と癒しをもらい、その命を預かった重さをあらためて心に刻もうと思う。

ブルー&ベリーキャットBOXへのこだわり

自家果樹園で育てたブルーベリーとその畑に巣箱を置いて、自然のまま採集した生はちみつを最小限の過熱により瓶詰めにしました。
総重量の半分ははちみつという最高に贅沢なジャムです。

はちみつは蜜蜂が作る究極の花のジャム。
ふたつのジャムがひとつになった風味豊かな大自然の味をお楽しみください。

このスペシャルなジャムを歴代の看板猫たちに託してお届けします。

Blu Package ブルーベリーはちみつジャム
口当たりの良い大粒のハイブッシュ種ブルーベリーを使用したプレザーブジャム

Berry Package ブルーベリー&ストロベリーはちみつジャム
アントシアニンの豊富な大粒ラビットアイ種ブルーベリーと栃木県産とちおとめをミックスしたベリーベリージャム